4月になると、ぽかぽか陽気で散歩がはかどりますね。
- あれ?今日は歩いてる人、なんかいつもより多くない?
- 大きなエコバックや紙袋を持ってみんな歩いてる……今日なんかあるん?
因島移住組のみなさん、春にそんな疑問を持ったことないですか?
因島には、4月ごろに「おせったい」というローカルイベントがあるんです。
因島で生まれ育った人はほぼみんな知ってる(だろう)イベントなんですが、我々島外……というか、県外から移住した人には、まったくなじみのない「おせったい」。
今日は、意外と知らない「おせったい」について紹介します!
「おせったい」は弘法大師にちなんだ行事だそう

おせったいとはなんぞや?
因島観光協会が情報提供しているサイトに、情報が載ってましたよ~。
旧暦の3月21日頃に『おせったい』といって、各札所で島の人が札所に来られた方を接待します。
引用:おせったい/いんのしま観光なび 因島観光協会
札所?旧暦3月21日??わからないことが増えてしまった……。
気をとりなおして、一つずつみていきましょう。
まず、おせったいというのは因島だけでなく、山口県や大分県などでも見られる風習。
そして札所とは、巡礼者がまわるお寺のことです。参拝の証として札を納めていたことから「札所」と呼ばれます。
旧暦3月21日は、弘法大師(空海)が入定(高僧が亡くなること)した日です。多くはこの日の前後、巡礼する参拝者を地元の人がもてなすのが「おせったい」という風習のようです。
弘法大師由来の札所巡りとして、有名なところではお遍路さん。四国八十八ヶ所参りはTVでも特集されていることがありますよね。
四国八十八ヶ所参りは旧暦3月21日を問わず、一年中巡礼者がいます。この巡礼者にお茶やお菓子をふるまって接待するのも「おせったい」と呼ばれるようです。
札所をまわる巡礼者は弘法大師を偲んで歩き、おせったいする側は弘法大師への日ごろの感謝を表す……もともとはそんな由来がありました。
因島八十八カ所札所巡りは因島札所伝説に由来する
この因島にも、弘法大師を由来とする八十八か所の霊場があります。
弘法大師って、因島にも縁があるの?ってことに驚きですね。
因島には、ある尾道の漁師が四国から旅僧に乞われて船に同乗させ、因島の大浜で降ろしてあげたところ88人に増えて(!)島各地にちらばっていった、という伝説があります。
参考:因島八十八ケ所札所巡り/いんのしま観光なび 因島観光協会
この旅僧が弘法大師様だったのだ、というわけで明治25年に札所八十八ヶ所が設置されたということです。
伝説といいながら、設置は明治時代なので意外と新しいですね。
ちなみに、因島では弘法大師(空海)が開祖である真言宗が広く信仰されています。
地図引用:因島八十八ケ所札所巡り/いんのしま観光なび 因島観光協会
島内に札所がこんなにあるんですよ。なんせ88か所だからね。
お賽銭をあげて参拝すると、お菓子で接待してもらえる

ふだんの札所は無人なんですが、おせったいの日は近所の人が集まって参拝者の接待にあたります。
札所の外にも幟がかけられることが多く、人がよく歩いているので、おせったいの日はすぐにわかりますよ!

すべては無理でしたが、私も近所の2ヶ所を参拝しましたよ~。
「子どもの分も持って帰ってあげなさい」とお菓子を多めにくださったり、気さくに話してくださったり…。
ほっとする楽しい時間でした。
この日、子どももおせったいのお菓子をいただいて帰ってました。こども園でも近くの札所をまわったみたいです。
ちょっと勇気を出して覗いてみれば、地元の人と仲良くなれるかも!
札所巡りしている地元の人は、手慣れた様子でさっさとお参りして帰ったり、接待している知り合いとおしゃべりしたり。
初めての人は、札所にはちょっと入りにくく感じてしまうかも?
でも堂々と入っていって、お賽銭して手も合わせれば「この人、わかっとる人やねー!」ってなるはず。
一歩踏み出すのに勇気はいるけど、参拝してみれば接待してくれる人の温かさに触れられます!
おせったい情報
■日時 旧暦3月21日前後 8時~
※旧暦なので、毎年日時は変わる点に注意!
※開いている時間は札所によって違いますが、だいたい午前までで終わっているところが多いようです。
■場所 因島八十八ヶ所札所
※おせったいを行っていない札所もあります。